就労継続支援A型事業所の給料と利用料について紹介します。
就労継続支援A型事業所の給料の計算方法(時給・月収・年収)
就労継続支援A型事業所では、事業所と利用者の間で雇用契約を結ぶので、国に定められた最低賃金が保証されています。
「最低賃金」が支払われることと、「工賃」が支払われることが、A型事業所とB型事業所の大きな違いのひとつとなっています。
47都道府県の平均は874円。就労継続支援で働けば、コンビニや清掃などのアルバイトに近い金額のお給料が貰えます。
平成30年10月時点の最低賃金の最高は、東京都の985円。最低は、鹿児島県の761円。
最低賃金は地域によって違うので、実際に月間の給料となるのか、例として3つの地域を比較してみます。
【最多】4.5時間勤務の場合
就労継続支援A型事業所でいちばん多いパターンの勤務時間です。
仕事内容により異なりますが、10:00~15:30(休憩1時間)の勤務が多いです。
東京都
(時給)985円 × (1日の勤務時間)4.5時間 × (1か月の出勤日数)20日 = 88,650円
大阪府
(時給)936円 × (1日の勤務時間)4.5時間 × (1か月の出勤日数)20日 = 84,240円
鹿児島県(国内最低金額)
(時給)761円 × (1日の勤務時間)4.5時間 × (1か月の出勤日数)20日 = 68,490円
6時間勤務の場合
もう少し長い時間働ける人向けの勤務時間です。
東京都
(時給)985円 × (1日の勤務時間)6時間 × (1か月の出勤日数)20日 = 118,200円
大阪府
(時給)936円 × (1日の勤務時間)6時間 × (1か月の出勤日数)20日 = 112,320円
鹿児島県(国内最低金額)
(時給)761円 × (1日の勤務時間)6時間 × (1か月の出勤日数)20日 = 91,320円
8時間勤務の場合
フルタイムで働いて、たくさんお給料を受け取りたい人向けの勤務時間です。
東京都
(時給)985円 × (1日の勤務時間)8時間 × (1か月の出勤日数)20日 = 157,600円
大阪府
(時給)936円 × (1日の勤務時間)8時間 × (1か月の出勤日数)20日 = 149,760円
鹿児島県(国内最低金額)
(時給)761円 × (1日の勤務時間)8時間 × (1か月の出勤日数)20日 = 121,760円
給料から差し引かれる金額・利用料・税金
給料から差し引かれるお金については、以下のものがあります。
障害によって現在まで仕事をして給料を得たことがない人方や、一旦離職をしてしばらく仕事をしていなかった方については、利用料として差し引かれるお金はありません。
但し、雇用契約を結んでいますので、雇用保険料として数百円(給料の金額による)
給料から天引きされることになります。
利用料が発生する人のパターン
- 本人が前年度に仕事をしていて一定金額以上の年収があった
- 配偶者が前年度に仕事をしていて一定金額以上の年収があった
本人または配偶者が、就労継続支援A型事業所で働く前の年度に仕事をしており、一定の金額以上の年収があった場合、就労継続支援A型事業所を利用する為の利用料が発生します。
利用料は世帯年収(本人+配偶者)に応じて加算されるため、親や兄弟の収入は対象となりません。
利用料の計算方法・1割負担
就労継続支援A型事業所の利用料は、世帯の収入の状況や事業所に通所する日数で変わってきます。
前年度の収入により利用料の1割を負担することになりますが、
上限額は「9,300円」と「37,200円」のどちらかになります。
世帯の収入の状況別に、負担する月額の利用料の上限は以下を参照してください。
- 生活保護受給世帯 → 0円
- 市町村民税非課税世帯(※1) → 0円
- 市町村民税課税世帯(所得割16万円(※2)未満) ★所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除きます(※3) → 9,300円
- 上記以外 → 37,200円
(※1) 3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。
(※2) 収入が概ね600万円以下の世帯が対象になります。
(※3) 入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、負担上限月額が37,200円となります。
利用料の支払い方法
利用料は振込などで支払うのではなく、受け取る給料の金額から自動的に引かれます。
税金はほぼ非課税
ボーナス・給料以外に貰えるお金は?
就労継続支援A型事業所は雇用契約を結びますが、アルバイト採用で、ボーナスは基本的にありません。
事業所によっては、少額のボーナスが出るところもまれにあります。
交通費・通勤手当は出る?
バスや電車の定期代、ガソリン代、駐車場代、駐輪場代などの交通費・通勤手当は出ないことが多いですが、交渉次第で全額または一部を負担してくれるパターンもあります。
事業所によっては、無料で利用できる駐車場や駐輪場が用意されています。
障害年金と合わせた場合の年収・月収例
就労継続支援A型事業所で働いた場合、障害年金と合わせてどのぐらいの収入を得ることが可能なのか、計算してみました。
障害2級・大阪府で1日6時間・月20日働いたら17万円
- 障害基礎年金(2級)・・・64,941円
- 就労継続支援A型事業所の給料・・・112,320円
合計177261円
障害2級・東京都で1日8時間・月20日働いたら22万円
- 障害基礎年金(2級)・・・64,941円
- 就労継続支援A型事業所の給料・・・157,600円
合計222541円
就労継続支援a型事業所の給料で一人暮らしや結婚は出来る?
勤務日数・勤務時間次第では、障害年金と合わせて月20万円前後の収入を得ることもできます。
贅沢をしなければ、生活保護を受けなくても一人暮らしが可能な程度の収入ですね。
配偶者がいる場合は配偶者加給年金(18691円)、子供がいる場合は子の加算(1人目、2人目が1人につき18691円、3人目以降は6233円ずつ)が追加で受け取れます。
少しギリギリにはなりますが、配偶者や子供がいても生活は不可能ではない金額です。
最低賃金除外が発生する場合
他の労働者と比べ、労働能力が著しく劣る場合「最低賃金除外」というものが発生するケースがあります。
例えば「他の労働者が1時間に10個作れるものが、1時間に2個しな作れない」などの場合に適用されます。
- 精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者
- 試の使用期間中の者
- 職業能力開発促進法に基づく認定職業訓練を受ける者のうち一定のもの
- 軽易な業務に従事する者
- 断続的労働に従事する者
のいずれかに当てはまる場合、都道府県労働局長に申請して許可を得られれば適用されます。
ただ、実際に最低賃金除外が適用されるパターンは少ないです。
社会保険に加入するケース
就労継続支援A型事業所は雇用契約を結ぶので、週30時間以上勤務する場合は社会保険に加入できます。
社会保険に加入すると、傷病手当金や出産手当金などを受け取ったり、将来受け取る年金の金額が増えるなどのメリットがあります。
ただし、給料から社会保険料の差し引きが発生し、親や配偶者の扶養から外れるデメリットも。
基本的にデメリットのほうが大きいので、社会保険料への加入が不要な時間内で働いたほうが得です。
健康保険に加入するケース
就労継続支援a型事業所で工賃は発生しない
就労継続支援a型事業所で勤務してもらうお金は「給料」です。
雇用契約を結んで受けとり、給与所得控除などの税金面での優遇が受けられます。
「工賃」というのは、就労継続支援B型事業所で、作業に応じて貰うお金のことです。
コメント
コメント一覧 (2件)
生活保護受給者が働いたら差し引かれるのですか?
受け取った給料に近い金額、差し引かれます。
ただし、「控除(差し引かれない金額)」があるため、働いていない場合の受給額よりは収入は2万円前後多くなります。