生活保護を受けているけど、就労継続支援に通ったら減額されたり打ち切られるの?
就労継続支援に通っているけど収入が足りない!生活保護を新たに受けることは出来る?
『障害を持つ人が生活保護を受けながら、就労継続支援に通う』というパターンは非常に多いです。
この記事では、就労継続支援A型・B型と生活保護との併用について説明しています。
この記事の内容まとめ
- 就労継続支援で収入を得ると、生活保護は減額されるけど、控除がつくのでトータルの収入は若干増える
- A型に通っている人が新たに生活保護を受け始めるのは難しい
- A型に通ってもすぐに生活保護は打ち切られないが、そのうち打ち切られる可能性が高い
- B型に通っている人は新たに生活保護を受け始めたり、受け続やすい
所得によって減額はあるけど、合計収入は増える
一番気になる方が多いと思うのはこの疑問。
[st-kaiwa8]働いて収入を得たらその分、生活保護のお金が減ったり打ち切られたりするから損じゃないの??[/st-kaiwa8]
確かに、労働によって収入を得ていると、生活保護からの減額はあります。
しかし労働による収入は一定金額の『勤労控除』がつくため「働いても意味がない」「働くだけ損」ということはないんです。
生活保護の勤労控除の計算方法
勤労控除とは、生活保護受給者が
[st-kaiwa7]働いた分だけ生活保護が減額されるなら、働く意味ないじゃん![/st-kaiwa7]
とならないために、働いて得た収入の一部が生活保護費の減額対象にならない制度です。
生活保護の勤労控除の月額は最低15000円で、収入月額が増えるほど、控除額も段階的に増えていきます。
たとえば月収2万円の場合の控除額は15600円、月収3万円なら16400円、月収4万円なら17600円です。
計算式で説明するとこんな感じ。
通常の生活保護受給額ー(労働収入ー勤労控除)=実際の生活保護受給額
例:140000円※通常の受給額ー(32000円※労働収入ー16400円※勤労控除)=124400円※実際の生活保護受給額
実際の月収は【124400円※生活保護+32000円※労働収入=156400円】です。
このケースだと、働かなかった場合よりも月収が16400円多くなります。
もっと単純に説明すると
勤労控除額=生活保護より上乗せでもらえる収入
ということになりますね。
B型に短時間通い、月収が15000円以下の場合は、生活保護費の減額なしで工賃はそのまま貰えます。
A型・B型で生活保護の受けやすさは大きく変わる
まず大前提として、就労継続支援A型とB型では賃金(工賃)の金額が大きく異なります。
A型・・・雇用契約を結んで働く。平均賃金は月額74085円
B型・・・雇用契約を結ばず働く。平均工賃は月額15603円
※金額は平成29年度の調査結果
行政から見た場合
A型にしっかり通っている人・・・働いて安定した収入を得ている。生活保護は今後必要ない。
B型に通っている人、A型に雇用されているが出勤が安定しない人・・・現状は働いて安定した収入を得ることは難しい。今は生活保護が必要。
といった考えになります。
A型事業所に通いながら、新たに生活保護を受けるのは難しい
出勤が安定している・安定していないに関わらず、A型事業所と雇用契約を結んでいると『働いて安定して収入を得られる人』という扱いになります。
生活保護の受給額より収入が少なくても、新たに生活保護を受給し始めるのは非常に難しいです。
A型に通っていると、生活保護を打ち切られる可能性アリ
A型事業所に雇用され、働き始めるとすぐに生活保護が打ち切られるわけではありません。
働きはじめてすぐは、収入による減額はありますが、生活保護を受け取れます。
ただし毎日A型に出勤し、安定した収入を得ていると『働いて安定した収入を得ている。生活保護は今後必要ない。』と判断され、生活保護が打ち切られる可能性があります。
ただ、A型毎日安定して出勤していると、少なくとも7~10万円程度の月収を受け取ることができます。
障害年金などを受給している方であれば、収入の合計額は生活保護よりも多くなる可能性が高いんです。
ただしA型からのお給料以外に収入がなければ、打ち切られると収入が減る可能性が高いです。
ちなみに、A型に雇用されているものの、体調の都合などで欠勤が多く、収入が安定しない人は『現状は働いて安定した収入を得ることは難しい』と判断されるので、生活保護が打ち切られる可能性は低いです。
A型で生活費は保証されない
生活保護を受けられない状態で就労継続支援に通い、生活費が足りない状態になっても、何かしらの支援を受けることは基本的に出来ません。
親切なスタッフが相談に乗ってくれたり、自分で頑張って動いて
- 新たに生活保護を受けられるように行政と相談する
- 障害年金などのお金を受給できるように動く
- 生活費の支出を見直す
- A型を退職して生活保護を受ける
などの対策を取ることはできますが、基本的には難しいです。
ハイリ
障害者雇用でしっかり働けば、生活保護よりも高い収入を得ることができます。
障害者向けの就職エージェントサイトを利用すれば、A型に安定して出勤していれば、A型よりも好条件の仕事が見つかる可能性は高いです。
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B型事業所に通いながら、新たに生活保護を受けることは可能
就労継続支援B型事業所は、雇用契約を結んで安定して働くことが困難な人が通う場です。
生活保護を支給する自治体目線で、B型に通っている人というのは『現状は働いて安定した収入を得ることは難しい。今は生活保護が必要。』という位置づけになります。
働いて得られる収入は、全国平均で 月額15603円。かなり頑張って通っている人でも3~5万円が限界です。
B型で得られる収入では生活することは難しいですし、雇用契約も結んでいないため、既にB型事業所に通っている人が新たに生活保護を受けることは可能です。
そもそも、B型に通っている人で自分で生計を維持している人は少なく、生活保護、家族の扶養、施設に入所などで暮らしている人がほとんどです。
B型に通っていると、生活保護を続けやすい
既に生活保護を受けている人がB型に通い始めたり、新たに生活保護を受けた場合、収入を得たことによって生活保護を打ち切られる可能性は低いです。
現状の調査などが入ったり、A型や障害者雇用を勧められる可能性はありますが、基本はB型に通っている間は生活保護を受け続けることは出来ます。
まとめ:生活保護と併用するならB型がおすすめだけど・・・
「就労継続支援に通いながら、生活保護も併用して受給し続けたい」という考えなら、A型ではなくB型事業所に通うことを強くおすすめします。
でも将来を考えると、B型で働くのってスキルや職歴がつくわけじゃないので、あまり良い選択肢ではないんですよね。
生活保護は受給し続けることができますが、生活保護費+勤労控除より高い収入になることはありません。
「いまはどうしても、安定して働くことが難しい」という場合はB型+生活保護でも良いと思いますが、今後のことを考えると、一般企業で障害者雇用で働いた方が、収入は高く、安定していきます。
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