障害者向けの就労情報サイトです。障害者雇用、就労移行支援、就労継続支援A型、B型について説明しています。

障害者雇用の教科書

特別支援学校卒は高卒にならない?働く上での学歴の扱い

その他

特別支援学校卒は高卒にならない?働く上での学歴の扱い

子どもの頃から障害を持っていて、特別支援学校とくべつしえんがっこう(=養護学校ようごがっこう盲学校もうがっこう聾学校ろうがっこう)を卒業した場合、働く上で学歴はどのような扱いになるのか、まとめてみました。

特別支援学校は高卒ではない

特別支援学校 (=養護学校・盲学校・聾学校) の高等部を卒業した場合、学歴の資格は『特別支援学校高等部卒業』になります。

一般的な高等学校を卒業した人が得られる『高卒』の資格とは異なるものです。

特別支援学校はそれぞれの特性や能力に合わせた授業を行うため、一般的な高校とは学習内容やカリキュラムに違いがあります。

そのため、特別支援学校を卒業しても『高卒』にはならないのです。

ハイリ
余談ですが、海外の高校を卒業した人、高専を3年以降で中退した人も学歴上は高卒扱いにはなりません。

障害者雇用なら基本は高卒扱い

特別支援学校卒は厳密にいうと高卒にはなりませんが、障害者雇用では特別支援学校の高等部卒でも高卒扱いになるパターンが多いです。

企業側も、障害がある方を募集する上で、特別支援学校卒の方が応募してくることは考慮しています。

そもそも障害者雇用では学歴よりも「どの程度、仕事がこなせるか」「働く上でどんな配慮が必要か」「自分の障害の特性についてきちんと理解しているか」といった点を重視するため、特別支援学校を卒業しているから不利になるということはありません。

ただし、どんな企業でも必ず『特別支援学校の高等部卒は高卒扱いになる』とは限らないので、条件が高卒以上であったり、学歴で待遇や給料が変わる求人に応募する場合は事前に問い合わせておいた方が良いですね。

個人で就職活動を行う場合は自分で、ハローワークやエージェントを利用する場合は経由しているところを通じて問い合わせておきましょう。

一般採用だと企業の判断次第

続いて障害者雇用を使わず、一般採用で仕事を探した場合です。

「特別支援学校卒の人は高卒扱いか中卒扱いか」という法律上の明確な取り決めはありません。

企業側が『中卒扱い』と決めれば中卒、『高卒扱い』と決めれば高卒と同じ待遇になります。

どう扱うのかは企業次第で、公開されている情報ではないので、応募前に問い合わせるしか知る方法はありません。

ちなみに公務員などの公的機関では、特別支援学校の高等部は高卒扱いになる場合が多いです。

クローズで一般就職するのはほぼ不可能

特別支援学校の高等部を卒業した場合、クローズで(障害を隠して)就職するのはほぼ不可能です。

面接時に提出する履歴書には学歴を書く欄があり、学校名で特別支援学校に通っていたことが知られてしまいます。

高校名を書かなければ怪しまれますし、高校名を偽って書いた場合は学歴詐称に。

履歴書不要のパート・アルバイト程度ならバレない可能性もありますが、特別支援学校卒を隠して就職することはほぼ不可能です。

オープンでも受かる確率は低め

特別支援学校を卒業した人は、オープンで(障害を隠さずに)就職活動をしたとしても、残念ながら高卒の人よりも受かる確率は落ちます。

どうしても『特別支援学校に通っていた=障害により、日常生活や仕事面で難しい部分がある』と思われ、採用するのをためらわれるのです。

有利な資格や経歴があったり、子どもの頃は障害があったけど今は影響がないレベルになった、等であれば採用される可能性は上がりますが、基本的には難しいのが現状です。

障害者雇用で条件の良い仕事を探すのがおすすめ

現状、日本では特別支援学校を卒業した人が障害者雇用を使わずに一般企業で働くのは難しいです。

しかし『障害者雇用枠』として一般企業で働いた場合、一般枠で就職するよりも圧倒的に良い条件で働くことは可能です。

エージェント経由で正社員や契約社員の求人を探せば『未経験可、年収300万以上、残業ほぼなしの事務職』などの求人も普通に出ています。

スキルをつけたり、経験を積んでいくことで『障害を持ち、障害雇用枠で働いているけど、年収は500万以上』という人も普通にいます。

「障害者は働いても給料が安い」というのは一昔前の常識で、いまの法律では障害者雇用はかなり優遇されている状態なんです。

特別支援学校の高等部卒業後の進路のデータ

文部科学省が、特別支援学校卒業後の進路についてデータを公開しています。

平成29年3月に特別支援学校の高等部を卒業した人の人数は21292人。進路の内訳はこのようになっています。

  • 大学・専攻科へ進学:198人(0.9%)
  • 教育訓練期間へ入学:381人(1.8%)
  • 就職:6411人(30.1%)
  • 社会福祉施設等へ入所・通所:13253人(62.2%)
  • その他:851人(4%)

大学・専攻科へ進学・・・大学、短期大学、特別支援学校高等部専攻科、高等学区専攻科などに進学

教育訓練期間に入学・・・職業能力開発校、障害者職業能力開発校などに入学

就職・・・一般企業や自治体などへ就職

社会福祉施設等へ入所・通所・・・福祉施設、就労継続支援などの入所・通所

その他・・・上記のどれにも該当しない(進路なし、家の手伝い等)

参考資料:文部科学省 特別支援教育資料(平成29年度)集計編

データで見ると、特別支援学校を卒業したうち、10人中3人程度は一般企業や自治体(就労継続支援・授産施設ではない場所)に就職しています。

おまけ

障害がある方の高卒に関するその他の情報です。

特別支援学校から大学や専門学校への入学資格はある

日本の大学の入学資格は『高卒』ではなく『12年の学校教育を修了したもの』です。

特別支援学校の小学部に6年、中学部に3年、高等部に3年通った場合も、12年間の学校教育を修了したことになるので、入学・受験の資格はあります。

特別支援学校の高等部を卒業後、誰でも入れるような通信制の大学・短大を出たとしても、学歴上は大卒・短大卒になれるのです。

高卒認定試験=高卒にはなれない

高認試験(高卒認定試験・大学入学資格検定)は、高校を卒業していない人が「大学へ進学する学力がある」と証明するための試験です。

合格することで大学や専門学校へ入学する資格が得られますが、就職する上で『高卒』の扱いにはなりません。

特別支援学校の高等部を卒業した人はそもそも大学や専門学校への入学資格があるので、高卒認定試験は必要ありません。

通信制高校は高卒になる

「障害があり、普通の高校へ進学するのは難しいけど、高卒の学歴は欲しい」という人には、通信制高校へ通うという選択肢もおすすめです。

年に数回のスクーリングと簡単な提出物だけで卒業できるような学校でも、全日制の高校にしっかり通ったのと全く同じ『高卒』の資格になります。

入学試験がない(または誰でも受かるような試験)の学校が多いですし、医療的に大きな配慮がいるなどでなければ、障害があっても受け入れ可能な学校がほとんどです。

ハイリ
ちなみに私は障害の当事者ではありませんが、全日制の高校で教師とのトラブルで不登校になり、鹿島学園高等学校に編入して卒業しています。鹿島は発達障害を持つ子どもの受け入れを積極的に行っているようです。

⇒通信制高校の資料請求はこちら

-その他

Copyright© 障害者雇用の教科書 , 2019 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.